あの頃に戻りたいなんて

もう!遅刻しちゃうよ

亀井絵里さんと本文は一切関係ございません。

私は夢を見る。今までは普通だと思っていたが、どうやら人と比べて悪夢系の比率が圧倒的に多いようだ。友人に夢の話を語らせると、年上の女の人にいやらしいことをしてもらったりするらしい。
はっきり言ってそんな夢は見たことがない。というか私の中の夢のイメージはそういうものじゃない。しかし悪夢といっても、別に怪人に追いかけられたり、チェーンソー持った人に追いかけられたり、そういう夢じゃない。
一番多いのは試験を受ける夢だ。夢の中の私は試験勉強を一切しない。完全な放棄だ。もう潔い、誇らしい。だが赤点上等な心構えでもないのだ。試験当日になってすごくオタオタする。泣きそうになる。なんならオシッコももらしちゃう。前言撤回、全然潔くない。そうして夢から覚める。絶望的な状況から目が覚め「夢でよかった〓」と一息つく。
こんなパターンが昔から幾度も繰り返されている。
これは深層心理下に何か試験に関するトラウマがあるのかもしれない。そう考えてきた。しかし最近もう一つの説が浮かんだ。
悪夢は覚めた時、すごく安堵感がある。前述した通り「夢でよかった〓」と安心する。それは結構快感を伴うものなのだ。
つまりこの夢のパターンで、毎回お決まりの安堵感を味わおうとしているのではないか?確実に安全な位置にいながらお手軽に危機感を体験し、ピンチを脱出するという快感を味わおうとしているのではないか?それを昔から繰り返してきたのでないか。
そんな自分の矮小さに気づく。
それでも私は夢を見る。表面でどれだけ取り繕っても、自分が本当に望む夢の世界を構築する。